歯周病が危ない!糖尿病、心疾患…歯の健康が全身に与える影響とは?
- 2025年7月4日
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目次
「最近、歯茎が腫れやすい」「歯磨き中に血が出る…」それは、歯周病かもしれません。歯周病を放置すると、糖尿病や心疾患などの全身疾患のリスクを高めることが、近年の研究で明らかになっています。この記事では、歯科と全身疾患の深い関係性を分かりやすく解説し、あなたの健康を守るための情報をお届けします。今日からできる口腔ケアの方法を知り、健康寿命を延ばしましょう!
1. 歯周病とは?
1-1. 歯周病の定義と原因
歯周病とは、歯と歯茎の間に細菌が入り込み、歯茎や歯を支える組織に炎症が起きる病気です。この病気は、初期段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行してしまうことがあります。
主な原因は、歯垢(プラーク)と歯石です。歯垢は、食べかすや細菌が混ざり合ってできるもので、歯の表面に付着します。この歯垢が適切に除去されないと、唾液中のミネラルと結合して硬くなり、歯石に変わります。歯石は歯ブラシでは除去できず、さらに歯垢を呼び込み、歯周病を悪化させる要因となります。
1-2. 歯周病の進行段階
歯周病は、その進行度合いによっていくつかの段階に分けられます。初期段階の歯肉炎では、歯茎の腫れや出血が見られますが、まだ歯を支える骨への影響は少ないです。しかし、進行すると歯周炎となり、歯を支える骨が溶け始め、歯がグラグラするようになります。さらに悪化すると、歯が抜け落ちてしまうこともあります。
歯周病の進行は、生活習慣や個人の体質によって異なります。喫煙習慣がある人や、糖尿病などの持病がある人は、歯周病が進行しやすい傾向があります。また、日々の口腔ケアが不十分な場合も、歯周病のリスクが高まります。
2. 歯周病と全身疾患の関係
歯周病は、単なる歯の問題にとどまらず、全身の健康に深刻な影響を及ぼすことが明らかになっています。このセクションでは、歯周病と様々な全身疾患との関連性について、科学的根拠に基づき詳しく解説します。
2-1. 歯周病と糖尿病
歯周病は、糖尿病と密接な関係があります。歯周病が悪化すると、血糖コントロールが難しくなり、糖尿病を悪化させる可能性があります。その逆もまた然りで、糖尿病の方は歯周病にかかりやすく、歯周病も悪化しやすいという悪循環に陥ることがあります。歯周病による炎症が、インスリンの働きを阻害し、血糖値を上昇させる原因の一つと考えられています。
2-2. 歯周病と心疾患
歯周病は、心疾患のリスクを高めることも知られています。歯周病の原因菌が血管内に入り込み、血管壁に炎症を引き起こすことで、動脈硬化を促進し、心筋梗塞や狭心症などのリスクを高める可能性があります。また、歯周病によって作られる炎症性物質が、心臓に負担をかけることもあります。
2-3. 歯周病と呼吸器疾患
歯周病は、誤嚥性肺炎などの呼吸器疾患のリスクを高める可能性があります。歯周病の原因菌が、唾液とともに気道に入り込み、肺で炎症を引き起こすことで、肺炎を発症することがあります。特に、高齢者や免疫力の低下している方は、注意が必要です。
2-4. 歯周病とその他の全身疾患
歯周病は、上記の疾患以外にも、関節リウマチや早産・低体重児出産など、様々な全身疾患との関連性が指摘されています。歯周病による慢性的な炎症が、これらの疾患の発症や悪化に関与していると考えられています。
歯周病と全身疾患の関係は、まだ完全に解明されているわけではありませんが、多くの研究によってその関連性が示唆されています。歯周病を予防し、適切な口腔ケアを行うことは、全身の健康を守る上で非常に重要です。
3. まとめ:歯の健康が、あなたの健康寿命を左右する
歯の健康は、単に口の中だけの問題ではありません。この記事では、歯周病が全身の健康に与える深刻な影響について解説しました。
歯周病は、糖尿病や心疾患、呼吸器疾患など、様々な全身疾患のリスクを高めることが科学的に示されています。毎日の正しい口腔ケアの実践、定期的な歯科検診、そして生活習慣の見直しを通じて、歯周病を予防することが、健康寿命を延ばすための重要な一歩となります。
あなたの歯の健康を守り、全身の健康を守るために、今日からできることから始めてみましょう。健康な歯を維持することで、より豊かな人生を送ることができるはずです。
監修: 歯科ほんだクリニック院長 本田秀太