歯科レントゲンは本当に安全?被曝のリスクと正しい知識を解説
- 2025年7月28日
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目次
「歯の健康のためにレントゲンを撮るけど、被曝って大丈夫なの?」 歯科医院でのレントゲン撮影を控えている、または過去に経験したあなたは、そんな不安を感じていませんか?この記事では、歯科レントゲンの被曝量やリスクについて、他の検査との比較、妊娠中の方や小さなお子さんへの影響、そして被曝から身を守るための対策まで、分かりやすく解説します。正しい知識を身につけて、安心して歯科治療を受けましょう。
1. 歯科レントゲンとは?種類と被曝量の基本
歯科レントゲンについて、種類と被曝量の基本を理解することは、安全性を考える上で非常に重要です。
1-1. 歯科レントゲンの種類
歯科レントゲンには、様々な種類があります。主なものとして、以下のものが挙げられます。
デンタルレントゲン:
口腔内の小さな範囲を撮影するもので、主にむし歯や歯周病の診断に用いられます。
パノラマレントゲン:
口腔全体を一度に撮影でき、親知らずや顎関節の状態を確認したり、お口の中全体を大まかに把握するのに役立ちます。
セファロレントゲン:
頭部全体を撮影し、歯並びや顎の骨格を評価するために使用されます。矯正治療の診断に不可欠です。
歯科用3D CTスキャン:
3次元で顎の骨や歯の状態を詳細に確認できます。インプラント治療など、高度な治療計画を立てるために用いたり、パノラマレントゲンなどでは見れない所まで確認するために撮影します。
これらのレントゲンは、それぞれ異なる目的で使用され、被曝量も異なります。
1-2. 各レントゲンの被曝量
各レントゲンの被曝量は、撮影する範囲や使用する機器によって異なります。一般的に、デンタルレントゲンは最も被曝量が少なく、CTスキャンは比較的多くなります。以下に、各レントゲンの被曝量の目安を示します。
デンタルレントゲン: 0.01~0.02mSv(ミリシーベルト)程度
パノラマレントゲン: 0.03~0.05mSv程度
セファロレントゲン: 0.01~0.03mSv程度
歯科用CT: 0.1~0.5mSv程度
これらの数値はあくまで目安であり、撮影条件や機器によって変動します。しかし、歯科レントゲンは、他の医療被ばくと比較して、一般的に被曝量が少ない検査です。各レントゲンの被曝量を把握することで、歯科レントゲン検査に対する不安を軽減し、安心して治療に臨むことができます。
2. 他の検査と比較!歯科レントゲンは本当に安全?
歯科レントゲンが本当に安全なのか、他の検査と比較しながら見ていきましょう。歯科レントゲンと他の検査の被曝量を比較することで、その安全性をより深く理解することができます。
2-1. 胸部レントゲンとの比較
胸部レントゲンは、呼吸器系の疾患を診断するために一般的に行われる検査です。歯科レントゲンと比較すると、胸部レントゲンの方が被曝量が多くなります。これは、撮影範囲の違いによるものです。胸部レントゲンは胸部全体を撮影するため、より多くの放射線を使用します。一方、歯科レントゲンは口腔内の小さな範囲を撮影するため、被曝量は少なくなります。
被曝量の目安
デンタルレントゲン
0.01~0.02mSv
胸部レントゲン
0.1mSv程度
上記からもわかるように、胸部レントゲンと比較して、歯科レントゲンは被曝量が非常に少ないことがわかります。
2-2. CTスキャンとの比較
CTスキャンは、体の内部を詳細に画像化できる検査で、様々な病気の診断に役立ちます。しかし、CTスキャンは歯科レントゲンと比較して、被曝量が格段に多くなります。CTスキャンは、体の周囲からX線を照射し、多方向から画像データを収集するため、より多くの放射線を使用します。歯科用CTは歯科レントゲンより被曝量が多いですが、それでも全身のCTスキャンよりは少ないです。
検査の種類
被曝量の目安
デンタルレントゲン
0.01~0.02mSv
歯科用CT
0.1~0.5mSv
全身CT
10mSv程度
CTスキャンを受ける際には、被曝量について医師から説明を受け、検査の必要性を十分に理解することが大切です。
2-3. 自然放射線との比較
私たちは、日常生活の中でも自然放射線にさらされています。自然放射線は、宇宙や大地から放出される放射線で、私たちは常にこの放射線を浴びています。歯科レントゲンの被曝量は、この自然放射線と比較しても、非常に少ない量です。例えば、日本人が1年間で浴びる自然放射線の量は約2.1mSvと言われています。デンタルレントゲン1回の被曝量は0.01~0.02mSv程度であり、自然放射線と比較しても、ごくわずかです。
歯科レントゲンは、他の検査と比較しても、そして私たちが普段浴びている自然放射線と比較しても、被曝量は非常に少ない検査です。この事実を知ることで、歯科レントゲン検査に対する不安を軽減し、安心して治療に臨むことができるでしょう。
3. 歯科レントゲンの被曝によるリスクと影響
歯科レントゲンによる被曝のリスクと影響について、具体的に見ていきましょう。
3-1. 妊娠中の女性への影響
妊娠中の女性が歯科レントゲンを受けることについて、心配される方も多いかもしれません。しかし、歯科レントゲンによる被曝量は非常に少なく、お腹の赤ちゃんへの影響は、一般的に非常に小さいと考えられています。防護エプロンを着用することで、さらに被曝を軽減できます。
ただし、妊娠中は放射線に対する感受性が高まっている可能性もあるため、歯科医師とよく相談し、本当に必要な検査なのかを慎重に判断することが重要です。もし検査が必要な場合は、防護エプロンを必ず着用し、できる限り被曝を避けるようにしましょう。
3-2. 発がんリスク
放射線被曝による発がんリスクについても、多くの方が気にされる点です。レントゲン被曝によるリスクというものは、一切ないわけではありません。しかし、歯科レントゲンによる被曝量は非常に少ないため、発がんリスクは、他の高線量の放射線検査と比較して、かなり低いとされています。
4. 歯科レントゲンに関するQ&A
4-1. 歯科レントゲンはどのくらいの頻度で受けても大丈夫?
歯科レントゲンの頻度については、撮影するレントゲンの種類によって異なります。一般的には、パノラマエックス線は、むし歯や歯周病の治療、または矯正治療など、定期的な検査が必要な場合は、年に1回から数回程度レントゲンを撮影することがあります。
また部分的なデンタルレントゲンは治療の都度撮影をすることもあります。
しかし、歯科のレントゲンは非常に被曝線量が少ないレントゲンですので、パノラマレントゲンやCTなどは年1~数回程度 デンタルレントゲンを治療の都度撮影を行ったとしても、それでも自然被曝より少ない被ばく量ですので
全く問題ないと言えるでしょう。
4-2. 歯科レントゲンで被曝した放射線は体内に残る?
歯科レントゲンで被曝した放射線が体内に残ることはありません。レントゲン撮影で使用されるX線は、体内に蓄積されることなく、検査後に体外へと放出されます。
放射線が体内に残るのではないかという不安を感じる方もいるかもしれませんが、ご安心ください。
放射線被曝のリスクを完全にゼロにすることはできません。しかし、歯科レントゲンで使用される放射線量は非常に少なく、身体に影響を及ぼす可能性は極めて低いと考えられています。
まとめ
この記事では、歯科レントゲンに関する不安を解消し、正しい知識を得ていただくために、その種類や被曝量、他の検査との比較、リスクと影響、安全対策について解説しました。
歯科レントゲンは、適切な知識と対策によって、安心して受けることができる検査です。被曝量を理解し、防護エプロンなどの対策を講じることで、健康への影響を最小限に抑えることができます。疑問や不安がある場合は、歯科医師に相談し、納得した上で検査を受けてください。
この記事が、あなたの歯の健康を守る役にたてば幸いです
監修者:歯科ほんだクリニック院長 本田秀太