妊娠中でも安心!マタニティ歯科診療の全て|時期、治療、注意点まとめ
- 2025年9月24日
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「妊娠中でも歯医者に行っても大丈夫なの?」
お腹の赤ちゃんを思うと、歯科治療を受けることに不安を感じるかもしれません。妊娠中のママのお口の健康は、赤ちゃんの健康にも大きく影響します。 この記事では、マタニティ歯科診療について、妊娠中の歯の治療、時期、治療内容、注意点などを詳しく解説します。安心して出産を迎えられるように、一緒に学びましょう!
マタニティ歯科診療とは?
マタニティ歯科診療は、妊娠中の女性とそのお腹の赤ちゃんのために行われる歯科診療のことです。妊娠中は、ホルモンバランスの変化や生活習慣の変化により、お口のトラブルが起こりやすくなります。マタニティ歯科診療では、これらのリスクを軽減し、安全に歯科治療を受けるためのサポートを行います。
妊娠中の歯科治療の重要性
なぜ妊娠中の歯科治療が必要?
妊娠中は、お口の健康状態が変化しやすく、様々なリスクが高まります。妊娠中の歯科治療が重要である主な理由は以下の通りです。
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ホルモンバランスの変化: 妊娠すると、女性ホルモンの分泌量が増加し、歯周病にかかりやすくなります。歯周病は、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性も指摘されています。
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つわりの影響: つわりで嘔吐を繰り返すと、胃酸によって歯が溶けやすくなり、虫歯のリスクが高まります。また、歯磨きが十分にできなくなることも、お口のトラブルを招く原因となります。
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食生活の変化: 妊娠中は、食生活が変化しやすく、間食の回数が増えたり、甘いものを欲したりすることがあります。これにより、虫歯のリスクが上昇します。
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赤ちゃんの健康への影響: 妊娠中のママのお口の健康は、お腹の赤ちゃんの健康にも影響を与えます。歯周病が進行すると、早産や低体重児出産のリスクが高まることが知られています。また、生まれた赤ちゃんに虫歯菌が感染するリスクも高まります。
これらの理由から、妊娠中の歯科治療は、ママ自身の健康を守るだけでなく、お腹の赤ちゃんの健康を守るためにも非常に重要です。定期的な検診や適切な治療を受けることで、これらのリスクを軽減し、安全な出産に繋げることができます。
治療時期
妊娠中の歯科治療は、時期によって注意点と受けられる治療が異なります。
妊娠初期(0~15週): 赤ちゃんの器官形成期にあたるため、治療は慎重に行い、基本的には応急処置を除き安定期まで待ちます。レントゲン撮影や薬の服用、麻酔の使用は極力避け、必要最低限に留めます。
妊娠中期(16~27週): 安定期と呼ばれ、歯科治療に適した時期です。虫歯治療、歯周病治療、親知らずの抜歯なども可能ですが、レントゲン撮影や薬の服用は引き続き注意が必要です。体調に合わせて休憩を取りながら治療を進めます。
妊娠後期(28週~出産): お腹が大きくなり長時間の治療が難しくなるため、出産前に治療を済ませておくことが望ましいです。体勢や治療時間に配慮し、短時間で終わる治療を選択します。緊急時の対応も考慮し、産科医と連携できる歯科医院を選ぶことが推奨されます。
歯科治療の内容と安全性
妊娠中の歯科治療における麻酔、レントゲン撮影、薬の服用について、安全性を最優先に解説します。麻酔はリドカインやメピバカインなどが安全性の高いとされていますが、妊娠週数や使用量には注意が必要です。
レントゲン撮影時は防護エプロンを着用し、デジタルレントゲンを活用することで被曝量を抑えられます。薬の服用は、アセトアミノフェン系やペニシリン系など、安全性が確認されているものに限り、歯科医師や産婦人科医の指示に従い、必要最小限の使用に留めましょう。不安な点は、遠慮なく歯科医師に相談してください。
出産前に済ませておくべき歯科治療
出産前の歯科治療は、お母さんと赤ちゃんの健康を守るために重要です。妊娠中は虫歯や歯周病のリスクが高まるため、出産前に治療を済ませておくことで、育児に集中できる環境を整え、赤ちゃんへの感染リスクも低減できます。虫歯治療、歯周病治療、親知らずの抜歯、クリーニングなどを、妊娠中期など体調の良い時期に受けることをお勧めします。
赤ちゃんへの影響と対策
妊娠中のママのお口の健康は、赤ちゃんの健康にも影響します。特に、虫歯菌の母子感染や、赤ちゃんの歯の形成に注意が必要です。
虫歯菌の母子感染 ママが虫歯菌を持っていると、キスや食べ物の口移し、食器の共有などを通じて赤ちゃんに感染する可能性があります。これにより、赤ちゃんの歯が虫歯になるリスクが高まります。感染を防ぐには、ママの虫歯治療と口腔ケアが重要です。
歯の形成への影響 妊娠中のママの栄養状態は、赤ちゃんの歯の形成に影響します。特にカルシウム、リン、ビタミンD、ビタミンAは、丈夫な歯を作るために不可欠です。バランスの取れた食事を心がけ、必要に応じてサプリメントを活用しましょう。
マタニティ歯科を受診するメリット
マタニティ歯科は、母子の健康を守り、安心感と心のサポートを提供し、出産後の育児へのスムーズな移行を助け、将来的な歯の健康への投資となります。妊娠中の口腔トラブルは早産や低体重児出産のリスクを高める可能性があるため、治療や予防処置が重要です。専門家のアドバイスや、痛みを最小限に抑えた治療、リラックスできる環境は、妊娠中のストレス軽減にも繋がります。出産前に歯科治療を済ませることで、育児に集中でき、赤ちゃんへの虫歯菌感染リスクも低減できます。
よくある質問(FAQ)
妊娠中でも歯医者に行けますか?
はい、妊娠中でも歯医者に行くことは可能です。むしろ、妊娠中は口腔内のトラブルが起こりやすいため、定期的な検診や必要な治療を受けることが推奨されます。マタニティ歯科では、お母さんと赤ちゃんの健康を第一に考え、安全な治療を提供しています。
妊娠中に受けられる歯科治療は何ですか?
妊娠中でも、虫歯治療、歯周病治療、歯石除去、クリーニングなど、多くの歯科治療を受けることができます。ただし、妊娠時期や体調によっては、治療内容が制限される場合があります。歯科医師と相談し、ご自身の状態に合った治療を受けましょう。
妊娠中に避けるべき歯科治療はありますか?
妊娠初期(妊娠0~15週)は、赤ちゃんの器官形成期にあたるため、レントゲン撮影や、どうしても必要な場合を除き、積極的な治療は避ける傾向にあります。妊娠中期(妊娠16~27週)は比較的安定しているため、多くの治療を受けることができます。妊娠後期(妊娠28週~出産)は、体調や体勢に配慮しながら治療を行います。
麻酔やレントゲンは赤ちゃんに影響がありますか?
歯科治療で使用する麻酔は、少量であれば赤ちゃんへの影響は少ないと考えられています。レントゲン撮影も、防護エプロンを着用することで、被曝量を最小限に抑えることができます。不安な場合は、歯科医師に相談し、安全な方法で治療を受けましょう。
妊娠中の歯磨き粉はどんなものを選べばいいですか?
フッ素配合の歯磨き粉は、虫歯予防に効果的です。ただし、妊娠中はつわりで歯磨きが辛くなることもあるため、無理のない範囲で、ご自身に合った歯磨き粉を選びましょう。歯磨き粉の成分についても、歯科医師に相談することをおすすめします。
妊娠中に歯が痛くなった場合はどうすればいいですか?
まずは、歯科医院を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。痛みが強い場合は、我慢せずに、歯科医師に相談してください。妊娠中でも、安全に使える鎮痛剤もあります。
マタニティ歯科を受診する際の注意点はありますか?
マタニティ歯科を受診する際は、妊娠中であることを必ず歯科医師に伝えましょう。既往歴や、服用中の薬についても、詳しく伝えてください。また、治療に対する不安や疑問は、遠慮なく歯科医師に相談しましょう。
監修者:歯科ほんだクリニック院長 本田秀太