子どもの歯並びについて気になることはありませんか?
- 2025年10月2日
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目次
「うちの子、歯並び悪いの…?」子どもの歯並びについて、気になることはありませんか? 歯並びは、見た目だけでなく、健康や将来にも大きく影響します。この記事では、子どもの歯並びが悪くなる原因から、種類、治療法までわかりやすく解説します。
子どもの歯並びが悪くなる原因とは?
子どもの歯並びが悪くなる原因は一つではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。これらの原因を理解することで、予防策を講じることが可能になります。
遺伝
歯並びは遺伝の影響を受けます。顎の大きさや歯の大きさなど骨格的な問題は遺伝が大きく影響します。
生活習慣
生まれた後の生活習慣も、歯並びに影響を与えます。例えば、柔らかいものばかり食べる、食事の際に片方の歯ばかりで噛むといった偏った食生活は、顎の発達を阻害し、歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。また、哺乳瓶を長時間使用したり、指しゃぶりなどの癖も、歯並びを悪くする原因となります。
癖
指しゃぶり、爪を噛む、頬杖をつくといった癖も、歯並びに悪影響を与えることがあります。これらの癖は、歯や顎に持続的な力を加え、歯並びを歪ませる原因となります。特に、成長期の子どもの場合、顎の骨が柔らかいため、癖の影響を受けやすい傾向があります。
虫歯
虫歯も歯並びに影響を与えることがあります。虫歯が進行し、乳歯を早期に失ってしまうと、永久歯の生えるスペースが不足し、歯並びが悪くなることがあります。ま
歯並びの種類と、それぞれの問題点
歯並びの種類は多岐にわたり、それぞれ異なる問題点があります。ここでは、代表的な歯並びの種類とその問題点について詳しく見ていきましょう。
出っ歯(上顎前突)
出っ歯は、上の前歯が突き出た状態で、見た目だけでなく転倒時の歯の損傷リスクを高めます。口が閉じにくく口呼吸になりやすいため、口内乾燥や虫歯・歯周病のリスク増加、顔貌への悪影響も懸念されます。
受け口(下顎前突)
受け口は、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態です。見た目だけでなく、咀嚼や発音にも影響し、顎関節に負担がかかりやすくなります。言葉の発達に遅れが生じることもあり、顎の成長や顔のバランスにも影響を与える可能性があります。
叢生(乱杭歯)
叢生は歯が重なり、ガタガタな状態です。歯磨きが難しく、虫歯・歯周病のリスクを高めます。見た目のコンプレックスや精神的負担の原因にもなります。
開咬
開咬は、奥歯を噛み合わせても前歯が噛み合わない状態です。咀嚼や発音に影響があり、顎関節症の原因にもなり得ます。指しゃぶりや舌癖が原因となることが多く、早期対応が重要です。
歯並びが悪いことによる健康への影響
虫歯や歯周病のリスク増加
歯並びが悪いと磨き残しが増え、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
発音への影響
歯並びが悪いと、特に前歯でサ行、タ行、ラ行などの発音が不明瞭になることがあります。出っ歯や受け口は、舌の位置に影響し、発音を難しくさせます。これは子どもの言葉の発達やコミュニケーション能力に影響を与える可能性もあるため、気になる場合は歯科医に相談しましょう。
顎関節への負担
歯並びの悪さは顎関節症を引き起こし、顎の痛みや開口困難、音などの症状が現れます。噛み合わせの悪さ、特に片側噛みや食いしばりは顎関節に負担をかけ、慢性化しやすいです。痛みや違和感があれば歯科医に相談しましょう。
全身への影響
歯並びの悪さは全身の健康にも影響します。噛み合わせが悪いと消化不良を起こしやすく、栄養吸収を妨げます。噛む回数が減ると脳への刺激が低下し、認知機能低下の可能性も指摘されています。口呼吸は風邪やアレルギー症状を悪化させる原因にも。歯並びを整えることは、見た目だけでなく全身の健康維持にも繋がるのです。
歯列矯正は必要?判断基準と開始時期
歯列矯正が必要なケース
歯列矯正が必要かどうかは、子どもの歯並びの状態によって異なります。専門的な診断が必要ですが、親御さんがある程度判断できるポイントもあります。以下に、歯列矯正が必要となる主なケースをまとめました。
早期の歯列矯正が必要なケース
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重度の不正咬合: 出っ歯(上顎前突)、受け口(下顎前突)、叢生(乱杭歯)、開咬など、見た目や機能に大きな問題がある場合。
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咀嚼や発音への影響: 食べ物をうまく噛めない、発音が不明瞭であるなど、日常生活に支障をきたす場合。
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虫歯や歯周病のリスクが高い: 歯並びが悪く、歯磨きがしにくいため、虫歯や歯周病になりやすい場合。
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精神的な問題: 歯並びが悪いことで、子どもが容姿を気にしたり、いじめの対象になったりするなど、精神的な負担を感じている場合。
これらのケースに当てはまる場合は、歯科医に相談し、専門的な診断を受けることをおすすめします。早期に適切な処置を行うことで、子どもの歯の健康を守り、将来的なリスクを軽減することができます。
歯列矯正の開始時期
歯列矯正の開始時期は、子どもの歯並びの状態や、使用する矯正方法によって異なります。一般的には、以下の3つの時期に分けられます。
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乳歯列期(3~5歳頃): 顎の成長を促す床矯正など、早期に治療を開始することで、顎の正しい成長を促し、将来的な歯列矯正を回避できる可能性があります。指しゃぶりなどの悪習癖を改善する目的でも、この時期に相談することがあります。
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混合歯列期(6~12歳頃): 乳歯と永久歯が混在する時期で、顎の成長を利用した治療が可能です。この時期に治療を開始することで、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保したり、顎の成長をコントロールしたりすることができます。主に、顎の骨格的な問題を改善する治療が行われます。
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永久歯列期(12歳以降): 永久歯が全て生えそろった後に行われる治療で、歯を動かす本格的な矯正治療が可能です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、様々な矯正方法を選択できます。歯並びを整え、噛み合わせを改善することを目的とします。
開始時期は、子どもの歯並びの状態によって異なりますので、歯科医と相談し、最適な時期に治療を開始することが重要です。
子どもの歯列矯正の種類と費用
床矯正
床矯正は、取り外し可能な装置を使って顎の骨の成長を促し、歯が並ぶスペースを確保する治療法です。主に、顎の成長をコントロールすることで、歯並びを改善することを目的とします。対象年齢は比較的幅広く、顎の成長が盛んな時期である5~10歳頃の子どもに適しています。
床矯正のメリットは、取り外しが可能であるため、歯磨きや食事を普段通り行えることです。また、比較的費用が安く、子どもの負担が少ないのも魅力です。しかし、装置の使用時間や装着状況によって効果が左右されるため、子どもの協力が不可欠です。また、すべての歯並びに対応できるわけではなく、軽度な不正咬合の改善に適しています。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着して歯を動かす治療法です。取り外し可能で、見た目が気にならないため、近年人気が高まっています。主に、軽度から中程度の不正咬合の改善に適しており、10代後半から大人まで幅広い年齢層が対象となります。
マウスピース矯正のメリットは、目立ちにくく、取り外しが可能であるため、普段通りの生活を送れることです。また、金属アレルギーの心配もありません。しかし、装着時間を守らないと効果が得られにくく、重度の不正咬合には対応できない場合があります。また、定期的な通院が必要で、装置の交換費用がかかります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯にブラケットとワイヤーを装着し、歯を動かす治療法です。重度や複雑な歯並びに対応でき、治療効果も高いのが特徴です。しかし、装置が目立ち、歯磨きがしにくい、口内を傷つける、食べ物が詰まりやすいといったデメリットもあります。定期的な調整が必要で、治療期間は長くなる傾向があります。
矯正費用は高額になることもありますが、医療費控除の対象となる場合があります。また、歯科医院によっては、分割払いやデンタルローンなどの支払い方法に対応している場合もあります。事前に確認しておくと良いでしょう。
まとめ
この記事では、子どもの歯並びが悪くなる原因、具体的な歯並びの種類、それらが健康に与える影響について解説しました。また、歯列矯正の必要性や種類、費用についても触れ、親御さんが子どもの歯の健康を守るためにできる具体的な方法を紹介しました。
子どもの歯並びは、遺伝や生活習慣、癖など様々な要因によって影響を受けます。出っ歯や受け口、叢生(乱杭歯)など、歯並びの種類によって、虫歯や歯周病のリスク増加、発音への影響、顎関節への負担など、様々な問題が生じる可能性があります。
歯列矯正は、子どもの歯の健康を守るために重要な選択肢の一つです。歯列矯正が必要なケース、適切な開始時期、矯正の種類や費用を理解し、お子さんの歯並びに合った治療法を選択しましょう。
日々の食生活の改善、口呼吸の防止、定期検診の受診、正しい歯磨きの習慣づけなど、親御さんができることはたくさんあります。この記事を参考に、お子さんの歯の健康を守り、笑顔あふれる毎日を送りましょう。
監修者:歯科ほんだクリニック院長 本田秀太