口腔内の粘膜疾患
- 2025年4月12日
- お知らせ
口腔粘膜の疾患とは?
口腔粘膜の疾患は、口の中の粘膜に発生する様々な病気の総称です。口内炎のような身近なものから、専門的な治療が必要な疾患まで、幅広い種類があります。まずは口腔粘膜疾患の定義、概要について解説していきます。
口腔粘膜の定義
口腔粘膜とは、口の中を覆っている粘膜のことです。具体的には、唇の内側、頬の内側、歯茎、舌、口蓋(上あご)など
を指します。この粘膜は、食べ物の摂取、会話、呼吸など、私たちが日常生活を送る上で重要な役割を果たしています。
口腔粘膜疾患の概要
口腔粘膜疾患は、この粘膜に炎症や異常が現れる病気です。原因は多岐にわたり、感染症、アレルギー、自己免疫疾患、外傷、喫煙、栄養不足などが挙げられます。症状も様々で、痛み、赤み、腫れ、ただれ、白い斑点、水疱、口臭など、人によって異なった症状が現れます。早期発見と適切な治療が重要であり、症状に気づいたら、歯科医師や口腔外科医に相談することをおすすめします。
口腔粘膜疾患の種類
アフタ性口内炎
口内炎は、口腔粘膜に発生する炎症の総称です。誰もが経験したことがあるかもしれません。口内炎には様々な種類があり、原因も多岐にわたります。
ヘルペス性口内炎
ヘルペス性口内炎は、単純ヘルペスウイルス(主に1型)の感染によって引き起こされる口内炎です。主に乳幼児や小児に多く見られますが、大人もかかることがあります。強い痛みと高熱を伴うことが特徴です。
カンジダ症
カンジダ症は、カンジダという真菌(カビ)が口腔内で異常増殖することによって引き起こされる感染症です。免疫力が低下している人や、糖尿病の患者さん、またはステロイド薬や抗生物質を長期服用している人に多く見られます。
白板症
白板症は、口腔粘膜が白く変化する病気です。原因は様々ですが、喫煙や摩擦、刺激などが主な要因として考えられています。白板症の一部は、がん化する可能性があるため、注意が必要です。
扁平苔癬
扁平苔癬は、口腔粘膜に炎症が起こり、網目状やレース状の白い模様が現れる病気です。原因ははっきりとは分かっていませんが、自己免疫疾患やアレルギーなどが関与していると考えられています。痛みを伴うこともあります。
口腔粘膜疾患の原因
感染症
口腔粘膜疾患の原因として、まず挙げられるのが感染症です。細菌、ウイルス、真菌(カビ)などが原因となり、様々な症状を引き起こします。
細菌感染症の代表的なものとしては、歯周病が挙げられます。歯周病は、歯茎や歯槽骨に炎症を引き起こし、進行すると歯を失う原因にもなります。ウイルス感染症としては、ヘルペス性口内炎が代表的です。これは、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされ、口内炎や水疱ができます。真菌感染症としては、カンジダ症が挙げられます。これは、カンジダという真菌が口腔内で異常増殖することによって引き起こされ、白い苔のようなものが舌や頬の内側に付着します。
アレルギー
アレルギーも、口腔粘膜疾患の原因の一つです。特定の食べ物、薬剤、金属などがアレルギー反応を引き起こし、口内炎や口唇炎などの症状が現れることがあります。アレルギーの原因物質(アレルゲン)を特定し、それを避けることが重要です。
自己免疫疾患
自己免疫疾患も、口腔粘膜疾患の原因となることがあります。自己免疫疾患とは、自分の体の組織を異物と認識して攻撃してしまう病気です。代表的なものとしては、ベーチェット病や扁平苔癬などがあります。これらの病気は、口内炎や粘膜のただれ、潰瘍などを引き起こします。
喫煙
喫煙は、口腔粘膜疾患のリスクを高めます。タバコに含まれる有害物質は、口腔粘膜を刺激し、炎症や病気を引き起こしやすくなります。喫煙は、白板症や口腔がんのリスクも高めるため、禁煙することが重要です。
ストレス
ストレスも、口腔粘膜疾患の原因の一つと考えられています。ストレスは、免疫力を低下させ、口内炎などの症状を悪化させる可能性があります。十分な休息やバランスの取れた食事、適度な運動などでストレスを解消することが大切です。
栄養不足
栄養不足も、口腔粘膜疾患の原因となることがあります。特に、ビタミンB群や鉄分などの不足は、口内炎や舌炎を引き起こしやすくなります。バランスの取れた食事を心がけ、栄養不足を解消することが重要です。